2016年留学 13日目

201637() 留学十三日目


 今日は午前中授業を受けた後、皆で北京市内の中高一貫校にお邪魔し高校生たちと交流をしてきました。

 授業では最近「口语」の宿題の難しさを感じています。何とか頑張って作文してきても、どこか単語のニュアンスを違う風に捉えてしまっているらしく、先生に「そういう言い方はしないよ」としょっちゅう言われます。その後でまた説明してくださるので何とか分かるものもありますが、授業で一回説明されただけではよく分からないものが結構あります。同学の日本人の中に一人すごく作文の上手い人がいるので、どうやって勉強しているのか話を聞こうかなと思います。


 ご飯を軽く済ませてからは、みんなで地铁に乗って移動して、北京市内のある中高一貫校に学校訪問に向かいました。この学校は北京の優秀な学校の一つだそうで、到着すると、いかにも賢そうな生徒さん達に出迎えられました。今回私達の案内とディスカッションの相手をしてくれた生徒さんたちは制服を着ていましたが、学校を案内されて見ている時に他の生徒の様子を見ているとみんな体操服で授業を受けていることに気が付きました。この学校では普段は体操服で生活するのですが、制服は学校行事やこういった訪問客への対応をする際の正装として着るのだそうです。敬意の表し方の一つだったのだと知って驚きました。



 私達3班は三人の生徒さんに案内をしてもらって、学校のいろんな場所を見て回りました。まず入ってすぐの中庭に入らせてもらいました。水を流す溝や岩を配置して素敵な庭が作られていました。ベンチなども置いてあって生徒の憩いの場として使えるようになっていました。中庭から教室の授業風景が見えましたが、生徒さんたちがいろんな教科書を積み上げて授業を聞いているのを見ていると、自分の中学・高校時代を思い出して懐かしくなりました。次に図書館に案内してもらいましたが、空間デザインがおしゃれで、デザインに何のひねりもない島根の学校とは大違いだなと思いました。洗練された素敵な空間で勉強できるなら、たくさん生徒が図書館に通いそうだなと思いました。

 その後、学校のグラウンドや、頤和園の长廊みたいな中国の昔の建物を再現した建物に案内してもらいました。グラウンドは日本の一般的な広い空き地みたいな砂のグラウンドでも芝生でもなく、どこかの陸上競技場みたいな青いトラックのあるグラウンドでした。真ん中にはバスケットゴールもいくつも設置され、奥にはテニスコートがありました。また驚いたのは、運動会など使う観覧席があるということです。学校にそんなものまでついているなんて、すごい学校だなと思いました。また、カフェまであるので、売店しかなかった中学校やちょっとした学食がある程度の高校に通っていた自分には考えられない環境だな、と感じました。また中国独特だな、と感じたのは中国茶の実習ができる教室があることです。すごくきれいな部屋で昔風の装飾がなされた部屋で、磁器や置物が並べられていました。
 さらに、案内役の生徒さんが受けている授業の真っ最中にお邪魔し、生徒さん達の発表を聞きました。教室の設備は島根大学よりも充実しており羨ましく思いました。黒板の一部にはディスプレイが設置されていて、授業や発表でよく使ってらっしゃるみたいです。民俗学の授業と言うことで発表テーマは「节日」でした。皆さんの発表を聞いてもしゃべるのが速くて聞き取りが全然できませんでしたが、スライドも作っておられたのでそれを見て内容を理解することが出来ました。発表している様子を見ていると、みんな発表の仕方が上手いな、と思いました。日本の生徒みたいに自信なさそうにしている生徒はおらず、みんなはきはきと喋っていて、こういうプレゼンテーション能力の差を知り、日本人のプレゼンテーション下手を強く感じました。\

 それから、別の教室に移動して各班でディスカッションをしました。私達の班は「日中の最も重要な祭日」をテーマに話し合いました。案内をしてくれていた生徒さんたちが今度はこのディスカッションの為に用意してくれていたスライドを使って、とても流暢な英語で春节をはじめとする节日を説明してくれました。156の高校生がほぼ英語で自分たちの調べてきたことを説明してくれて、理解がしやすいと思ったのと同時にショックも受けました。なぜなら自分が同じ年齢の頃こんな風に喋ることなんて絶対に出来なかったので、レベルの差を感じ、焦りを覚えました。中国で詰め込み教育が行われている頃日本はゆとり教育をしていて、その教育の差がこういった交流会などの場面で顕著に現れるのだと思います。について知ることが出来た以上に、中国のトップレベルの教育を受けた子供たちがどんなレベルなのか、中国は教育にどれほど力を注いでいるのかを少し知ることが出来たのが、一番の収穫だと思います。最後に班ごとにディスカッションした内容について発表しました。私たちの班の日本人代表として私が生徒さんと一緒に説明をしました。英語はそもそも苦手なので日本語に中国語を混ぜながら発表しましたが、全然自分の準備が間に合わなかったのでしどろもどろになりながらの発表になってしまいました。他の生徒さん達にちゃんと伝わったのかすごく心配です。あとで郭先生に「よかったですよ!」と言っていただけたのですが、個人的には自分よりずっと年下の子よりひどい発表になってしまったので、日本に帰ってから、もっとプレゼンテーションの練習や英語・中国語のスピーキングを練習したいなと思いました。




 今日の交流会はとてもいいものになりました。日本にいたのでは分からない中国の教育現場の現状、そしてそのレベルの高さに触れることが出来たのですごく有意義な時間でした。日本もこれからどんどん教育のレベルや環境がさらによくなって、新たに育成された日本人の人材が中国や韓国といった近隣諸国の同年代の人々と協力しアジア全体の発展に貢献できたらいいなと思います。そうすればずっと欧米諸国ばかりが世界をけん引している時代からアジア諸国がけん引する時代へと変わるかもしれないなとも思いました。


投稿者:岡 明歩
編集者:丁 雷

3 件のコメント:

  1. ここで紹介されている中高一貫校は非常にエリートな学校で、設備にも非常にお金がかかっており、教育のレベルも非常に高いように思われます。この学校だけで北京の教育のレベルがどのくらいのものかを推し量ることは出来ませんが、ひとつ言えるだろうことは、日本の教育には、発表やスピーチ、ディスカッションなど自分の意見を述べる機会が中国に比べて少なすぎるだろうということです。日本の学生が自信なさそうに発表するのは、ただそういった機会に慣れていないからです。私も慣れていません。
    別に日本人は、もともと自信がないのではなく、今の日本の教育にかなり問題があるように思います。

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  2. L165002
    今講義で出されている宿題は、中国語訳なので作文ではありませんが、辞書を使ってもなかなか思い通りのニュアンスの単語が見つからないことはあるので、作文となると日本語・中国語どちらの能力も必要になるため難しそうです。ただ、今日先生がおっしゃられたように、自分の言いたいことがきちんと伝わっているかを直接聞いて確認することは、中国に行けばいつでも出来る環境にあるので、曖昧なままで終わらせてしまわないようにしたいと思いました。
    高校生のうちから、外国からの留学生と交流する機会があり、内容的にも英語を交えての学校案内やディスカッションなど高度なレベルでの交流会で、双方にとってとても有意義だと思いました。

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  3. E174177

    教育学部にいると世界の教育について学んだり、また他国の教育制度と日本の教育制度、た他国の生徒と日本の生徒の違いなどについて学ぶ機会があります。中国の教育は人口が多く競争社会であるということもあって、日本の生徒よりかなり勉強しているのだろうなと思います。中国の生徒さんは英語がすごくできるとありましたが、島根大学でアメリカの大学生と授業設計をした時に中国出身の方と同じ班になり、ネイティブ並の英語力で、ものすごいスピードでネイティブスピーカーと会話していてすごく驚いたことを覚えています。あと、そうでいて物事をわかりやすく伝える柔軟さも兼ね備えておられました。本人の努力もありますが、こうした教育を行っているからこそ、このような学生が育つのかもしれません。日本も見習うべきところがたくさんあると思いました。

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