2016年3月5日(六) 留学十一日目
今日は朝からみんなで頤和園に行きました。世界史の授業で西太后について習った時に見た美しい船の写真の本物が見られると言うことで、とても楽しみにしていた場所です。ただ今日の天気はすごく風が強いせいでかなり寒かったです。松江みたいだなと思いました。みんなで地铁に乗って頤和園まで行くと、さすがは観光地、週末ということもあり多くのツアー客が来園していました。私たちは丁先生のガイドを聞きながら、頤和園を回っていきました。
頤和園はもともと乾隆帝の時代に清漪园という別の庭園として作られていたものを改修したものです。1860年のアロー戦争で英仏軍に破壊されてしまった清漪园を、西太后(慈禧太后)が海軍の資金という名目で3000万两もの銀を投じて改修させ、頤和園と名付けました。その後また破壊されてしまうのですが、その時も後に改修し現在まで美しい状態を保っています。
北宫門からスタートして中に入っていくと、人達がみんなでエアロビクスみたいなことをしていました。また別のグループは羽の付いた小さい玉みたいなものを蹴鞠みたいにリフティングしてパスする遊びをしたりしていました。市民の憩いの場となっているのがよく分かる光景だと思います。
そして歩道をゆっくり歩きながら様々な建物を見ていきました。大体どの建物も四色の色が使われています。赤、青、緑、金色です。赤は貴族の色、青は天の色、緑は満州族の色、金色は王族の色だそうです。清朝は満州族の王朝なので、こういった配色で建物が建てられています。どれも本当にすごくきれいで迫力があり、まさに豪華絢爛です。日本で言うと、栃木県の「日光東照宮」の陽明門みたいな建物がたくさんあるような感じです。道もきれいに色のついた石で舗装されており、めでたい文字なども石を並べて書かれているなど、細かなこだわりを感じました。
いろんな建物を見ましたが、特に印象に残ったのは「仁寿殿」です。西太后が政務を行った場所で、豪華さは他の建物を圧倒するほどです。ここには麒麟や鳳凰、龍の銅像が設置されています。特に鳳凰は重要な生き物で、女性の象徴です。一方龍は男性を表しています。ここに設置された銅像の鳳凰の方は頭を上げ、龍の方は頭を下げています。これは女性の権力の方が強いことを表しているそうです。西太后の権力を一番見せつけている場所だなと思いました。
もう一つ印象に残ったのは「长廊」です。長さが728mもあるこの廊下はギネス世界記録にも認定されているそうで、実際歩いていると「いつ終わるのかな」と思うくらい長かったです。この廊下にも様々な装飾があり、特に壁画は見応えがあります。絵の題材は昔の詩や小説のワンシーンなどで、日本人もよく知る「西遊記」の絵も見ることが出来ました。全て違う絵なので、たくさん中国の古典文学を読んでから行くとさらに楽しめそうだな、と思いました。
西太后は本当に芸術が大好きな人だったらしく、頤和園の中に多くの絵があったり、京劇を見るための建物があったりします。国のお金を使いこむのはいかがなものかと思いますが、こんなに芸術に浸れる場所で過ごせるのは羨ましいことだと思います。

そのほか、庭園の美しさを堪能したりして歩き続けました。長時間歩き続けたのでかなり疲れましたが、中国が世界の列強国に負け疲弊していく前の、最後の権力の象徴を見ることが出来て本当に有意義な時間を過ごせました。

明日もほぼ一日お世話になるので、どんな一日を皆さんが過ごしてらっしゃるのかを知るのがちょっと楽しみです。
編集者:丁 雷
頤和園は、ものすごく広いと聞いています。実際に訪れてみたい場所の1つです。それにしても、728mもある長廊という廊下があるのは知りませんでした。日本とは規模が全く違いますね。そこには様々な絵が描かれているそうですが、中国の芸術をこの目で見てみたいです。また日本とはどのような違いがあるのかについて、日本の文化も中国からの影響を強く受けているので、日本と比較して見学してみるのも面白そうです。
返信削除一番最初の写真が横浜の中華街にある門と似ていると思いました。装飾の細かさや青い色が特徴的だと思います。中国といえば赤のイメージが強いのですが、写真を見る限りでは、頤和園では青もよく見られると感じました。頤和園が破壊されては改修されてきたという歴史があるほど大切な象徴的な場所なのだぁと感じました。とても広いそうですが、是非行ってみたいと思います。
返信削除L165002
返信削除先日ネットで北京市内のいろいろな観光地を調べており、中でも私の思う中国らしい色使いが特徴的で、美しい庭園や石の船が見られる頤和園は絶対に行ってみたいと思っていました。世界史はあまりやっていなかったので日記に書かれているような詳しい話はあまり分かりませんが、せっかく行ける可能性があるので、自分でも予め予備知識を蓄えた上でぜひ訪れてみたいと思いました。
また、この日は先生のご実家でホームステイをされたようで、一度の留学で寮生活もホームステイも体験されていて羨ましいなと思いました。